見る人をとても選ぶ映画。とても感銘をうける人もいれば、なにこれ?っていう人もいるんじゃないでしょうか。
この監督の映画は初見だけれども、普段アメリカ映画ばかり見ている身としては演出がとても新鮮だった。驚くべきことにBGMがいっさい無い。そして人物ひとりひとりの動作をとても丁寧に、丁寧に描いている。そのため、テンポはゆっくりとすすむもののミステリーとしての緊張感は途切れずにエンディングを迎える。
この映画には衝撃的な出来事が二つある。ひとつは中盤。そしてもうひとつはエンディング。難点なのはエンディングでの衝撃的な出来事が目を凝らさなければ分からない!ということ。初めて見たときはそれに気づかず、「えっ、もう終わり?」という感想しか出てこなかった。ここはもうちょっとヒントが欲しかったところ!そういう意味では映画館のでかい画面で見ると良いのかも。
監督のインタビューによると、テーマは「人間の原罪」とのこと。だれもが持っているさりげない罪の意識を表面に浮き立たせることが目的らしい。欲を言えば、さらにそれから発展してそれにどう立ち向かうか監督なりの考えが欲しかったな。ひとりひとりで考えろってことなんだろうけども。
背景としてフランスが抱える移民問題があるため、日本からするとちょっとわかり辛い。現在のフランスはアフリカやイスラム圏からの移民が多くおり、ネイティブとの間で大きな摩擦が起きている。この映画にもアルジェリアの移民が登場し、人種によって様々な差別を受けている様子が暗に描かれている。(私がパリに行ったときも人種によって住む場所から明らかに区別されていた)
ミステリーだけれども全ての謎が明らかになるわけじゃなく、終わってから考える余地が残される。それが苦じゃないひとにはぜひお勧めです。そして見終わってからしばらく考え込まされる映画です。
≪ローズ・イン・タイドランド-(★★★★☆)
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