映画館やレンタルで見た映画メモ
「サンドイッチの年」(★★★★☆)
Les Annees Sandwiches(ジャケ写)
監督:ピエール・ブートロン


少年の成長をテーマを扱った映画は多くあるけれど、一番のお気に入りを今日は紹介します。舞台は1947年のパリ、ユダヤ人の少年ヴィクトールは両親がナチスに連れていかれ行く当てもなく天涯孤独の身となってしまうが、古物商を営むマックスと出会い世話になる。そして同世代の少年フェリックスという友人を得る。

物語は淡々と進む。日々の糧を得るために主人公ヴィクトールは働く。対してフェリックスは上流階級の家族に囲まれ絵に描いたような豊かな暮らしをしている。それでも二人には友情がある。言葉で多くを語らない奇妙な男の友情がそこにはある。

そして訪れる友との別れ・・・。悲しむヴィクトールにマックスが言うセリフがとても良い。普段多くを語らないからこそ重みのある珠玉の名言だと思う。ちなみにこんなセリフ。15歳という少年から大人になろうとする時期に経験する「痛み」を励ますとても暖かい言葉。うーん、このシーンの為にこの映画をぜひ見て欲しいです。

どうやらDVDでは出てないみたいなので、見るとしたらビデオレンタル屋さんでしょうか。久しぶりにまた見たくなってきたな〜

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B000JJ5G06グエムル-漢江の怪物- スタンダード・エディション
監督:ポン・ジュノ
ハピネット・ピクチャーズ 2007-01-26

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もったいない!それが第一印象。舞台は韓国は漢江という大きな川、人々の憩いの場所となっている河川敷に突如、環境汚染による突然変異で生まれたクリーチャーが襲い掛かるというストーリー。

"怪物"が登場するまでのドキドキさせる演出、ひとたび姿を見せて次々と犠牲を出していくときの疾走感は素直に驚きました!なにがすごいって、真昼間の明瞭なシーンで違和感なく怪物を合成していること。全部CGで作られている非現実的なクリーチャーが、(日本に似た風景という)現実に自然に溶け込んでいるのは初めて見る経験です。

しかし後半、テンポの失速ぶりが凄まじい。これは必要なのかなぁという場面が多々ありました。もうひとつのマイナス点は、政府や軍の対応に疑問点がありすぎること。未曾有のバイオハザードが起こる可能性があるっていうのになんでそんなに間が抜けているの!?軍隊よりも主人公たちが活躍するのは映画として当然だけど、もうちょっとうまく騙して欲しかったな。

テーマとしては、親子の絆、親娘の絆、家族の絆が主題としてあるんじゃないかと思います。それだったら中途半端に入っている反米メッセージは余計だったんじゃないかなぁ〜と。韓国映画たる所以でしょうか。

なんだか文句ばかりになってしまったけれど、面白いかどうかっていうと、間違いなく面白い部類に入ります。日本に良く似た風景でこういうモンスター物をやっているのも新鮮で現実感があって面白さにプラス!細かい整合性を気にしないで見ればとっても良い映画です。

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B000GQMJAWローズ・イン・タイドランド
監督:テリー・ギリアム
東北新社 2007-01-26

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不思議な国のアリス(Alice in wonderland)をもじっているだけに、希望もなにもない物語がとても印象に残る。

久しぶりに心に後々まで食い込むような映画を見た気がします。登場人物の誰一人としてまともなやつがいなくて、エグイ現実がミシミシと少女Roseに迫ってくるんだけどワンダーランドに片足を突っ込んでる少女の視点からのみ世界が描かれてるから不思議とグロイシーンもコミカルだったりするんです。

世界描写もとてもよかった。大草原にぽつんと立つ一軒屋、草原の気持ち良さと物語の救いの無さがうまく溶け合っていて、草原とその廃屋だけが少女の世界の全てだというのがなんとも言えない。

子役のJodelle Micah Ferlandは本当に天才!なんであんなに自然にイっちゃってる演技ができるんだろうね。サイレントヒルの娘役もやってるみたい、そっちも見たくなって来たな。しかし、こんな役をやってその後は大丈夫なのかなぁ・・・

前編を通して、グロイというかなんとも生理的に気持ち悪い描写が多々ある。主人公が首だけの人形とずっと一人遊びしてたり…etc。そんなブラックユーモアな部分でクスクスできる方にはお勧めです。最後にちょっとだけ救いがあったのがよかったな。

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隠された記憶
監督:ミヒャエル・ハネケ
タキコーポレーション 2006-10-06

by G-Tools , 2007/03/30




見る人をとても選ぶ映画。とても感銘をうける人もいれば、なにこれ?っていう人もいるんじゃないでしょうか。

この監督の映画は初見だけれども、普段アメリカ映画ばかり見ている身としては演出がとても新鮮だった。驚くべきことにBGMがいっさい無い。そして人物ひとりひとりの動作をとても丁寧に、丁寧に描いている。そのため、テンポはゆっくりとすすむもののミステリーとしての緊張感は途切れずにエンディングを迎える。

この映画には衝撃的な出来事が二つある。ひとつは中盤。そしてもうひとつはエンディング。難点なのはエンディングでの衝撃的な出来事が目を凝らさなければ分からない!ということ。初めて見たときはそれに気づかず、「えっ、もう終わり?」という感想しか出てこなかった。ここはもうちょっとヒントが欲しかったところ!そういう意味では映画館のでかい画面で見ると良いのかも。

監督のインタビューによると、テーマは「人間の原罪」とのこと。だれもが持っているさりげない罪の意識を表面に浮き立たせることが目的らしい。欲を言えば、さらにそれから発展してそれにどう立ち向かうか監督なりの考えが欲しかったな。ひとりひとりで考えろってことなんだろうけども。

背景としてフランスが抱える移民問題があるため、日本からするとちょっとわかり辛い。現在のフランスはアフリカやイスラム圏からの移民が多くおり、ネイティブとの間で大きな摩擦が起きている。この映画にもアルジェリアの移民が登場し、人種によって様々な差別を受けている様子が暗に描かれている。(私がパリに行ったときも人種によって住む場所から明らかに区別されていた)

ミステリーだけれども全ての謎が明らかになるわけじゃなく、終わってから考える余地が残される。それが苦じゃないひとにはぜひお勧めです。そして見終わってからしばらく考え込まされる映画です。

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